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STORY

~ウシャス回顧録~
かって───インダス文明が栄えた頃には女神(地母神)崇拝があり、七聖人の母といわれるウシャスは高貴な母神で最高の地位に君臨していた。
しかし、その地位は男性支配の部族アーリアン戦争神インドラによって奪われたのである。

───インドラは暁紅神ウシャスを
粉砕せり……
そのとき 彼女は遥か遠くに
逃げ失せり……───

ウシャスは粉砕され、記憶だけが神話として現在に残った……

───某所某日 ××新聞記事より───
──現在、東洋史学会では、先日インドで発見されたウシャス(暁の女神)像が話題になっている。というのも、この現代の神秘といわれるウシャス像にはその額に500カラット台の宝石がはめられていた痕跡があり、その宝石が発見されれば学術上今世紀最大の発見である事は間違いないと注目されているからである。───

 ここはR大学──東洋史学科考古学専攻のアトレ助教授の研究所は、アトレ助教授と研究生2名の計3名だけで、この数年来研究成果が全く上がらず、このままでは来年には研究室は閉鎖の憂き目を見ることになってしまう。アトレ助教授の念願である昇格への道も、望みがなくなってしまうのだ……!

 ある日の朝、新聞を見ていたアトレ助教授は……
「ふーん。ウシャス像かァ……ウチの研究室もこれくらいの大発見すれば助か…るん? ウシャス? ウシャス…ウシャス…」
 彼は昔から研究室にホコリを被って置いてある古い文献の中に「ウシャス像」について書かれたものがあるのを思い出した。さっそく3人で書庫の片隅からその文献を引っぱり出し「ウシャス像」について調べた。
「これだ。これで研究室が助かるぞ!」

 そこには現代の地図とは少し違った遺跡群を印した古い地図があった。資料はこの古い地図だけだ…… 
 男のロマン… とばかりに感動に打ち震えているアトレ助教授をよそに、
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「まあ、いいところで一攫千金ってとこだな…」
「どのへんがロマンなわけ?」
と、研究生のクリス・スタンレーとウイット・アルティの二人はそっけなかったのだが、アトレ助教授の素晴らしい説得により、研究生の2人は快くこの無謀としか言いようがない探検に研究室の命運(?)をかけて出発したのであった。吉報を待つアトレ助教授を研究所に残して…

 ウシャス像の秘宝は一体何処にあるのか──!?
果たして彼らはその神秘の宝石を、手に入れる事ができるのだろうか──!?


面白多彩、考古学ロマン

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87年年11月1日にコナミより発売された、サイドビューの画面切り替え式アクションゲーム。宣伝ではマルチプレイヤーアクションゲームと謳っていた模様。機種はMSX2。

同社のガリウスの迷宮やMSX版グーニーズに近いタイプで、難易度はどちらかというと簡単な部類。
主人公はウィットとクレスの2人。背の高さや操作感覚、ステータスなど違いがはっきりとしている。

「喜怒哀楽」という4つの感情が、何かと関わってくるのが本作の特徴。
各遺跡には”喜”、”怒”、”哀”、”楽”の4つの部屋(ステージ)と神殿があり、各部屋には神殿を開けるための”喜”、”怒”、”哀”、”楽”の鍵が、それぞれ4つの感情の魔物によって守られている。
主人公の2人も”喜”、”怒”、”哀”、”楽”の感情によって攻撃方法が変化し、それぞれ対応した感情でないと、各部屋のボスの扉が開かない仕組みになっている。
「喜怒哀楽 気分の変化が新しい!」との本作のキャッチコピーは、このような感じで本作の至る所に溢れています。

喜怒哀楽の面意外では、本作は成長要素があり、各ステージで手に入るコインを貯めることで、ステータスアップを図ることができます。
キャラによって上限はありますが、ジャンプの苦手なクレスのジャンプ力を伸ばしたり、移動スピードの遅いウィットの素早さを上げたりと、いろいろとキャラクターの強化ができます。

能力の違う二人を上手に使い分け、喜怒哀楽の感情を上手に使いこなし、コインによって成長や回復を図りながら各遺跡を踏破していく。本作ウシャスはそのようなゲームです。


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ニノミヤムセン パソコンランド。まだ可愛らしい雰囲気のあった中坊の頃のおっさんが、よく意味もなく通っていた電気屋です。
ここではデモプレイという名の素敵な物が置いてあって、いろんなゲームをここでプレイさせていただきました。アルファロイド、田代まさしのプリンセスがいっぱい、ぺんぎんくんウォーズ2、ゴーファーの野望… などなど。本作ウシャスもここでプレイし、ここに通い詰め、ここでクリアしました。店頭プレイでエンディングまで行くのもどうかと思いますが、この頃のおっさんは恐れを知らぬ糞ガキだったのでしょう。まあ、一応ここの店ではワゴン以外のゲームソフトも結構まめに買っていたので、そう考えると罪悪感も薄れ… ない、かな(笑)
ちなみに、このパソコンランドではこの2〜3年後ぐらいだったかに、MSXのソフトを片っ端から投げ売りしていたので、これ幸いにと本作を含めていろんなタイトルを買い漁りました。

プレイの方は、4つの感情で攻撃手段が変わるのは良いのですが、喜の感情が便利すぎて正直他の感情が要らないんですよね。どちらのキャラも使い勝手の良い攻撃をするだけでなく、二段ジャンプや空中歩行ができるようになるので、他の感情の存在が不便に感じます。ボス戦も鍵さえ開けたら喜の感情を取りにいちいち前まで戻ってたぐらいだったし。

難易度はかなり低いと思います。ヌルゲーマーのおっさんでも気楽にクリアできますし。
本作はコインを貯めてパワーアップできるんだけど、コインの稼ぎポイントが早い内からあるので、ステータスはすぐに最高値まで上げられるんですよね。更に体力回復もコインでできるから、なっかなか死なないんですよ。

遺跡の数が5つ。ステージ数で言うと20ステージで、神殿でのボス戦が5回。だいたい3〜4時間もあればクリアできるし、各遺跡ごとに再開用のキーワードがあるので、それを使えばもっと手短にクリアできます。ちょくちょく進めてもいいし、ガッといっぺんにクリアしてもいい感じかな。
操作性も良いし、安定のコナミミュージックで耳心地も悪くなかったし、遺跡クリア時のコミカルな中間デモや、各部屋に入る前の掛け合いなど、主人公2人もちゃんとキャラクターしていたので、プレイしていて楽しいタイトルでした。エンディングも衝撃的で、きっと初回クリア時は「そんなあほな!?」と呟くユーザーも多かったと思います(笑)

メタルギアやF1スピリット、沙羅曼蛇やシャロムの間に挟まれた時期に発売された本作は、人気のある同社のタイトルの中に埋もれてしまい、当時ではいまひとつ華やかさに欠けていました。知名度も全然ないというわけではないのですが、ウシャスってちょっとばかり影が薄いんですよね。とは言え結構面白いゲームなので、レトロゲーム好きな方には結構オススメです。


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